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『俺も、ずっと見えないふりをしていた。 知らないふりをしていた。 存在していたかったから。 ずっと一緒にいたかったから』
「僕、は……」
『でもそれは無理なんだ。 俺とお前は一緒にいる事なんかできない。 一つだからこそ……二人にはなれない』
俺の声を捉える耳が、痛い。
聞きたくないから、何も、何も。
それでも、俺は僕に必死に語り続ける、自分が存在しないということを、痛みをこらえながら。
『初めから……知っていたんだ』
「……え?」
『俺を作りだしたのは、お前なんだろ』
「……」
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