僕/俺

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『もう充分だ。 お前は、俺を心配してくれていたんだろ? 自分が生み出したものを、消してしまうことを、恐がっていたんだろ? ならもう恐がる必要はない……俺自身が消える事を望んでいるんだから』 俺が、足を止める。 目の前には、大きな扉。 最初から見えていた、ずっと前から知っていた、扉。 『さぁ』 俺が僕の手を、放す。 最初から分かっていた事なのに、ずっと一緒にいられることなんかあり得ないって、分かっていたのに、どうしても、涙が止まらない。 『泣くな、俺が笑ってんだから、お前も笑えるだろ』
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