プロローグ

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 ――なんだと?  巨大な黒い靄のかたまりが、そこにあった。動揺したのか、上下に大きく揺れる。 「あれが魔物だよ。きみはあれにだまされていたんだ」  ――お前、まさか……!  彼は魔物にそれ以上の言葉を言わせなかった。あっという間に、黒い靄が消え去る。世界に静かな夜の風景が戻ってくる。  何が起こったのか、少女には分からなかった。 「もう大丈夫だよ。悪いやつはもうやっつけたから」
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