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「…なるほど。サンアンドレアスか…」
「どうするかは、トニー。お前が決めろ。この町にはシンダコの連中も今となっては一人もいない。情勢は保たれている。」
「・・・一時ここを離れろと?」
「・・・ああそうだ。今になって君を殺そうなんて考えるマフィアの糞共はもういないだろう。だがそこら辺のチンピラはどうだ?お前自身がまだチンピラだった頃、敵対ファミリーの幹部をたくさん殺したろう?それと同じだ。お前はここにいたら危ない…」
「俺はそんなに落ちぶれちゃあいない。」
「分からんかトニー!!お前を失ったらワシはどうする!?ヴィンチェゾも失い…次はお前か!?」
「言っちゃ悪いがヴィンチェゾはマヌケだった!俺は違う!」
「・・・・・トニー…アントニオ・シプリアーニ…高慢になってしまったらそこまでだぞ。お前は昨日埠頭で中国人を殺したろう?」
「あれはチョンじゃねぇのか?」
「トライアドというチャイニーズマフィアの幹部だ。ボスの右腕でもある奴だ。それをお前は殺した。」
「だからなんだってんだ?」
「口の聞き方に気を付けろよトニー。つまりはだ、近日中にトライアドの奴らが大勢で密入国してくるだろう。街でお前を見るなり鉛弾をブチ込んでくるだろうさ。」
「・・・・・・・・・」
「事の重大さがわかったか。・・・・トニー、お前に幹部はまだ早かったかもしれん。冷静さを保てるまでは帰って来るなよ。」
激しい討論の末、そう言い残しサルバトーレは自室へと戻って行った。
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