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リン・・
ジ リン・・・
ジリリリン!!
朝だ。
習慣とはよく言ったもので、特に朝の行動は一通り習慣付けされている。
大抵の人なら、朝起きてシャワーを浴び着替えて朝食を食べ歯を磨き、それぞれのすべきことをするだろう。
だがここ「バイスシティー」では違う。
上記の通りに習慣付けられている人は、人口の1割にも満たないだろう。
この都市の人口の"大抵が"
朝っぱらから"魔法の白い粉"を一発キメてやがる。
スターフィッシュ島、いや、バイスシティ一番のお屋敷と言っても過言ではないぐらいの「ベルセッティ邸」に住む、トミー・ベルセッティもそうだろう。
だが彼は「快楽」のためではなく、ビジネスのために吸っている。しかもかなり少量だ。
ビジネスのために仕方なく、毎朝のように純度100%のコカインを吸引するのだ。
こう習慣付けとけば、混じり物があった場合にすぐ分かる。(と思う。)
少なくとも、彼はそう豪語している。
プルルルルル プルルルルル
ガチャ
「こちらベルセッティ。」
「取引がしたい。場所はサンフィエロにある埠頭だ。時刻は明日の22時30分。キロ5500で30キロ買う。YesかNoか単刀直入に聞きたい。」
「おい。サンフィエロまで届けるのにキロ5500?よしてくれ、あんたコカイン取引は初めてか?」
「・・・・いくらならいいってんだ?」
「そうだな…キロ8000ってとこが妥当だな。」
「そりゃ高けぇだろ。キロ7500なら買ってやってもいいぜ」
「お前さんリスクってもんを考えてみろ。バイスの最北端の港から出てもかなりの距離だ。ポリ公の乱交パーティ用の船にバッタリ出会っちまうかもしれねぇ。今の時代ハイリスクな仕事なんだよ。」
「…分かった。キロ7700。これでどうだ?文句ねぇだろ?」
「ハハハァ!!分かってきたじゃねえか!よし、じゃあ明日サンフィエロ埠頭に22時30分。キロ7700で30キロ、合計231000$間違いねぇな?」
「ああ。空港からの電話は高けぇんだ。切るぞ。」
プッ
ガチャ
「・・・取引の約束を空港からかよ・・・とんだド素人だぜ…」
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