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ここで成功させるにはどこかしらへ根を張る必要がある。
だがトニーはこの問題を解決するのに、そう時間はかからないと思った。
初めてリバティに辿り着いた時もそうだったように、初めて訪れる地で汚れ仕事をするにはマンションやペントハウス、ホテルに根を張るのが常識。というのを知っていたからだ。
「ああ…ちょっと失礼お嬢さん…ヘヘ、綺麗だね。あー、失礼話がそれた・・・・どこかオススメのマンションやホテルを知らないか?観光で来たんだが。」
「?Que dice?(なんて言ってるの?)」
「ああ…これはすまない・・・・・スペイン人か…」
道行く人々に尋ねてみたが、流石は国内屈指の観光地である。
まともに英語を喋ってくれる人と出会わない。
「E per qualsiasi cosa?(何か用かね?)」
「Je suis desole, mais suis pauvre pour anglais(すまないが英語には乏しくてね・・・)」
「Historia! O senhor asshole!(話しかけんじゃねぇ糞ったれ!)」
リバティの人口の約9割は英語を喋ることができる。
なので初めてリバティに訪れた時はそこまで困りはしなかったが、ここでは違う。
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