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「リバティリバティTVより07:00をお伝え致します!!さて今朝の"話題のアノ人"のゲストはなんとこの方!!OGロッ」
プッ----
朝から五月蝿くどなる箱を黙らせ、トニーは代わりに新聞を開いた。
昨日の一件が気になるという事もあってだ。
『ポートランドの埠頭でアメリカ人男性2名の遺体を発見。埠頭での死者は今月で27人目。』
『リバティ再構築化へ向け前進。市長は語る「腐敗しきった町をチャンスに満ちた町へ!」』
『トレントン警察署長。またもや暴言「てめぇがしゃぶってもらえ」』
リバティシティの住民には無料配布される新聞。リバティツリーには毎日のように汚職のことや政治家の話、死体の話が載ってる。
住民も他人事だとは思っていられない。
明日になり自分が新聞に載っているかもしれないからだ。
だからここの住民は、目をギラつかせ、速足で歩き、いつでも"エモノ"を取り出せる姿勢で町を歩く。
娼婦だってナイフくらいは持っている。
深夜に丸腰でサブウェイ(地下鉄)なんかに乗ってみろ。
「明日のリバティツリーには僕が変死体として載ります!」
なんて豪語してるようなもんだ。
…とリバティシティの説明はここで区切りをつけておこう。
リバティツリーを一通り読み終えたトニーは少し冷めたコーヒーを飲み干し、黒いスーツへと着替えた。
「さて、行くか……」
トニーは愛車を走らせ"ある場所"へと向かった。
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