いつもの日々

2/2
前へ
/29ページ
次へ
  「リバティリバティTVより07:00をお伝え致します!!さて今朝の"話題のアノ人"のゲストはなんとこの方!!OGロッ」 プッ---- 朝から五月蝿くどなる箱を黙らせ、トニーは代わりに新聞を開いた。 昨日の一件が気になるという事もあってだ。 『ポートランドの埠頭でアメリカ人男性2名の遺体を発見。埠頭での死者は今月で27人目。』 『リバティ再構築化へ向け前進。市長は語る「腐敗しきった町をチャンスに満ちた町へ!」』 『トレントン警察署長。またもや暴言「てめぇがしゃぶってもらえ」』 リバティシティの住民には無料配布される新聞。リバティツリーには毎日のように汚職のことや政治家の話、死体の話が載ってる。 住民も他人事だとは思っていられない。 明日になり自分が新聞に載っているかもしれないからだ。 だからここの住民は、目をギラつかせ、速足で歩き、いつでも"エモノ"を取り出せる姿勢で町を歩く。 娼婦だってナイフくらいは持っている。 深夜に丸腰でサブウェイ(地下鉄)なんかに乗ってみろ。 「明日のリバティツリーには僕が変死体として載ります!」 なんて豪語してるようなもんだ。 …とリバティシティの説明はここで区切りをつけておこう。 リバティツリーを一通り読み終えたトニーは少し冷めたコーヒーを飲み干し、黒いスーツへと着替えた。 「さて、行くか……」 トニーは愛車を走らせ"ある場所"へと向かった。    
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加