第十六楽章:決戦の夜

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「…誰かと思えば、この国随一と謳歌される侍大将殿ですか。 随分手の早いことで」 「彼には私の一番の部下、クローが相手をしますよ。 …貴女は国主の所へ行くのですか?」 「…えぇ。予告状の通りに」 スノゥは振り返ってリナヴェルを見つめ、悪戯っぽく笑う。 その表情を見たリナヴェルは怪訝そうに眉間に皺を寄せた。 「刃を向けられた、この状況を貴女は解っているのでしょうか?」 「もちろん。重々承知の上で、笑っているのですよ」 ふふ、と楽しげに笑うスノゥに、リナヴェルは大鉈を向けた。 「私は殺しに来たんですよ?」
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