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衛兵の一人が青年の所へと駆けた。
「ば―っ止めろ!!」
クローの制止を聞かず、その衛兵は手にした刃を振りかざした―。その、刹那。
「―“あいつ”も言っただろ?あんた逹じゃ役不足だと」
青年は被っていた布を掴んで衛兵の方へと放った。
「死ね、神に牙を剥いた愚か者よ」
青年の幽かな呟きに、衛兵の瞳に一瞬恐怖が過る。
「―そして恐れを抱く弱き者よ」
ミシ…ッ
嫌な音がした。誰もが耳を塞ぎたくなる様な音が。
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