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「待ちやがれっ!!」
青年は軽く地面を蹴ると、館の屋根を飛び越えた。
「クロー、追いますよ!」
「へぃ!」
リナヴェルの声に応え、クローは館の中へと駆け出した。
「―ほんとに、お前誰なんだ…?」
クローの呟きが夜の闇に融けていく―。
「―お久しぶりですね、国主殿?」
少女は蝋燭の小さな焔に照らされた部屋の中へ、足音をたてずに歩み寄る。
「そ…其方、何者だ…!?」
「おや、お忘れあそばして?ならば…白銀ノ民、とでも言えばおわかりになられます?」
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