第一楽章:スノゥとヤイロ/リナヴェルとクロー

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「待ちやがれっ!!」 青年は軽く地面を蹴ると、館の屋根を飛び越えた。 「クロー、追いますよ!」 「へぃ!」 リナヴェルの声に応え、クローは館の中へと駆け出した。 「―ほんとに、お前誰なんだ…?」 クローの呟きが夜の闇に融けていく―。 「―お久しぶりですね、国主殿?」 少女は蝋燭の小さな焔に照らされた部屋の中へ、足音をたてずに歩み寄る。 「そ…其方、何者だ…!?」 「おや、お忘れあそばして?ならば…白銀ノ民、とでも言えばおわかりになられます?」
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