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リナヴェルとクローがそれぞれの得物を構える。
「逃がすでないぞ、この場で殺せ!!」
『………』
スノゥと名乗った少女は小さく呪文と唱えると手刀を横に薙いだ。その手刀で切られた空間に裂け目ができる。
「ま―」
「忘れる事など許さない…その罪、必ず償わせてやる…っ!!」
スノゥは寝間着姿の男を睨み付け、裂け目の中に飛び込んだ。
リナヴェルとクローが追おうとする頃にはすでに裂け目は塞がり、すべてが元通りになっていた―。
「―ちっ!」
スノゥはまだ暗い路地裏を歩きながら数度目の舌打ちをした。
「舌打ちすると歯が磨り減るぞ。…多分」
「―だって腹立つんだもん」
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