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―神様、どうか教えて下さい…私の行くべき道を、示して下さい…。
少女は感覚のなくなった手を組んだ。
すると、少女の足元が仄かに輝いて、右の道へと伸びた。
《行くが良い。案ずるな、其方(ソナタ)には我等がついている。我等が共に在る限り、何人たりとも其方に手出しはさせぬ》
頭の片隅でした声に従い、少女は駆け出した。
悪意や害意を感じられなかったし、逃げなきゃという想いが強かったからであろう。
灯り一つない暗い通路を、少女は難なく駆けた。
―お母さん…逃げ切れたら私、どうすれば良いのかな?
少女はわからずにいた。憎しみを抱くには、彼女はあまりにも幼すぎたのだ。
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