第四楽章:夜の姫巫女の迷い

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「えぇ―知っているわ」 「元気ないのね。具合悪いの?」 リアナの漆黒の瞳がスノゥの山吹色の瞳を覗き込む。 「…。いいえ。ただこれがきっと私にとって最後になるだろうと思って」 「!遠くへ行くの?」 「多分…ずっとずっと遠くに」 ―国主に復讐を果たしたら…誰もいない雪深き場所へ。 復讐を果たす― その誓いにも似た想いが、スノゥをこの世界に繋ぎ留める。 ―それが、雪と共に在る白銀ノ民の定めなれば…。 「ここにいる事は、できないの?」
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