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リアナの問いに、スノゥは首を横に振る。
それが答えだとスノゥは知っているから―。
「…皆には伝えた?」
「いや。まだ少しいるから」
「そう。…ねぇ、」
「カルル、時間だよ!」
「うん―行ってきます」
「…えぇ、行ってらっしゃい」
シャーン…シャーン…
「?鈴の音…?」
クローはその音に導かれる様に歩き出した。その少し後ろを歩くリナヴェルは首を傾げる。
「どうしました?」
「鈴の音がするんすよ…」
「鈴―?」
シャーン…シャーン…
ようやく聴こえた音に耳を澄まし、リナヴェルは呟いた。
「クロー、次の角を右、ヨヅキの広場です」
「…!」
クローは足を止め、隠れる様に後退りした。
「…大将、昨日のあいつっす…」
「!?」
クローに言われてリナヴェルが覗き込むと、昨晩の淡い金色の瞳の少女―スノゥ―が舞っていた。
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