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「…当然でしょ?始まりはあの腐れた男。なら、責任を以て終わらせて貰おうじゃないの」
「―大将っ」
「?どうかしました?」
窓から天頂へと昇りつつある満月を眺めていた男は振り返り首を傾げた。
ややつりがちの切れ長な瞳を細めて僅かに笑う顔は恐らく美形の類に入るだろう。
「どうしたも何も、勝手に持ち場を離れたりしたら…」
「良いじゃないですか。せっかくこんなに月が綺麗なんですから」
「いや、良くないっしょ。下手したら首を切られまっせ。それどころか処刑の可能性だってあるんすよ?」
そう言って暗闇の中からガタイの良い男が現れる。
「ま、そんな事すりゃあいつがもっと追い込まれるだけなんすけどね」
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