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自分の手を見ながら呟くティナは苦し気だが寂しそうだった。
ジタンとティナ。二人のクリスタルが一度瞬く。
すると、そこにはまだ二人の姿があった。光の散らない姿が。
「まだ、大丈夫なのか?」
ジタンがしっぽを振って体が動くことを確認する。
「私たち、意外としぶといのかもしれないね」
クスリと笑みを零したティナに、僅かだが場の雰囲気が明るくなる。
「最期がいつかはわからないが、近いことは確かだ。暗くいくより、明るい方がいいかもしれないな」
「それ、スコールが言えるっすか?」
ティーダが盛り上げようとスコールの言葉に突っ込めば、自然と零れるみなの笑顔。
「それは当たってるかも。普段からスコールって静かだし冷静だし、そう言うのって意外だよな!」
すかさずバッツも便乗する。
さっきまでとは一転し、明るくなったみなの表情。久し振りに見た笑顔に、それぞれの心も明るくなっていた。
しばらくの談笑。
それは終わりが近いということに切羽詰まっていた彼らの心に安らぎをもたらしていた。
しかし長く続いたそれは、突如の来訪者によって終わりを迎えた。
その来訪者に気付いた者は四人だけだった。
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