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「周倉様、敵の援軍が来てます」
何処からか聞こえる知らせに。
「クソが、お前ら退くよ」
悪態をつきながら撤退命令を下し。
周倉は部下達と供に逃げ始めた。
「待ちやがれ」
「お前が待たんか勇次郎」
元讓の言葉に奉先は赤兎馬の手綱を自分の胸元に引き、立ち止まった。
「何で止めんだ」
「夕刻だ、辺りが暗くなって来たのに追ったら、返り討ちに合うかも知れねえだろ」
元讓の言葉も、もっともだと理解したのか、舌打ちをしながらも奉先は、黄巾族を追うのを諦めた。
「戦場に来たら会えるかもと思ってたけど、思わぬ形で出会ったな勇次郎」
元讓の言葉に頷きながら、奉先は赤兎馬から降りた。
「つう、やっぱし骨が折れてる時は無理するもんじゃねえな」
「怪我してる奴が戦場に来んなよ」
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