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渡部は鶴川と久米をにらみつけていった。
「だいたいあの時間、オレだけじゃないっすよ出かけていたの。田中も佐藤も一人で車で出かけてる。あの二人のアリバイはどうなのよ」
「これから・・・二人も調べる予定です。ただ君は・・・・」
「君は?何?・・・ははーん。誰かから・・・オレがシルビアに好意を持っていたとか噂聞いてそれで疑ってるわけ?」
「・・・・・・」
「まあ・・そりゃ確かにシルビアは美人だしね、もっともオレだけじゃないっすよ。田中も狙ってたし・・・・」
「なるほど・・・・」久米はつぶやいた。
そして渡部は言った。
「でもね・・・・残念ながら僕らと日系キャディとは付き合ってるのバレたらクビなわけ」
「クビ?」
「そう・・・そういう風にオレ達も彼女達も上から口すっぱく言われてるわけよ。だからもし・・・誰かがシルビアと付き合ってたとしても・・・バレたらヤバイから誰も口割らないと思うよ」
「なるほどね・・・・本当の事を話せば・・・それぞれ自分達の首を締めかねないわけか・・・。」
「そう。解ったかい警部さん。」
また人を喰った様な態度で渡部は言った。
そうした態度に気にしないフリをして久米は聞いた。
「まあ・・・・とりあえず君が犯人かどうか・・・現時点で何も解らないけど・・・・。ところで君は今まで一緒に仕事してきた彼女が殺されて何とも思わないのかい?」
「・・・・・・・・」
渡部は、すぐ返答できなかった。
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