14人が本棚に入れています
本棚に追加
都内のモーテルで若い女性の遺体が発見された。
入室したのは前夜9時。それからチェックアウトの時間を過ぎても出て来る気配がなく、室内にルーム係が電話しても返事がなかった。
不審に思ったルーム係が部屋に入ると女性はベットの下に俯せに倒れていた。
すでに死亡していた為警察をすぐさま呼んだ。
女性は推定二十歳前後。
のどのあたりに、犯人が締めたと思われる鬱血の痕があった。
全身裸のままで、他に傷らしいところは見当たらない。
被害者のものと思われるピンク色したハンドバッグが床に転がっていた。
バッグの中には財布、化粧道具、ハンカチ、。犯罪に繋がる様な物は見当たらない。
財布の中には何故か日本円の他にドル紙幣が数枚入っていた。
「警部、百ドル札が3枚入ってます!他二十ドル紙幣も数枚!」
「ドルだと?」
「ええ…後、見慣れない外国紙幣が数枚有ります・・・・。それにしてもこの年齢にしては結構なお金じゃないですかね?」
鶴川は久米に聞いた。
「ああ、確かにそうだし何よりドルを持ち歩く理由はなんだろうね」
久米も不思議そうな顔をして答えた。
そしてもう一度被害者の顔を二人はみた。
「日本人じゃ…ない?」
久米は鶴川の顔を見て言った。
「警部、確かにぱっと見は日本人ですが…違いますね」
「日系…かな?」
「そうですね。それも日本人の血が比較的強い様な気がします。体も小柄な方だし・・・」
「まあ、日系人は特別でも何でもないが…財布にこれだけお金が入っているって事は金目的の殺人じゃないな」
「とすると、交際相手との揉め事が原因でしょうか・・・?」
「まあ…そんなとこだろうね。とにかく他に何かないか徹底的に調べるしかない」
と、久米は部下達に部屋の中を調べさせた。
鑑識が指紋を集め、写真を撮ってる間、鶴川はベットの下に潜り混んだ。
ベットの下の脇に小さな丸い物が落ちていた。
「警部、これ何ですか?」
「あ、これは…?!」
久米は想像もしなかった物が落ちていた事に一瞬驚いた。
「警部、そんなに凄い物なんですかこれ?」
鶴川は、この小さな物に驚いた久米に少し驚いた顔をして言った。
最初のコメントを投稿しよう!