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サイレンを鳴らしながら久米と鶴川の乗った車は、猛スピードで高速道路を走る。
秋から冬に差し掛かる季節。道路の脇から時折見える紅葉が綺麗だった。
もちろん二人はそんな景色に見向きもしなかった。
車の中で久米は異常なほど不機嫌だった。
「あいつらはちゃんと見張ってたのか!」
久米は独り言にしては大きい声で言った。
鶴川は言った。
「まあまあ・・・警部・・・・彼らもけして手を抜いていたわけじゃ・・・」
「手を抜かないのは当たり前だよ!でもしっかり見張ってれば防げたはずだ」
特に若手の杉本に期待してた久米にとって、この事件はショックだった。
「まあ警部。杉本くんはこれできっと名誉挽回してくれますよ。でも・・・・これでますます解らなくなった事と・・・その逆に解ってきた事もあるんじゃないですか?」
「解ってきた・・・こと?」
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