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殺された渡部はここ数日、夜一人で出かける事が多かった。
朝帰りもざらで、以前みたいに研修生達とつるんでどこかに行く事が減ってきていた。
もっともゴルフを諦めて夜間練習をする必要もなくなったので気晴らしにドライブに出かけている。と最初のうちは誰一人としてその事に対して気に留めていなかったが・・・・
最近はさすがに周りも彼のその行動に不信感を感じていた。
そして久米はその話を聞いて、言った。
「そうですか・・・・やはりそれは単にドライブに行っていたとは思えませんね・・・・。その事について本人に聞いた事はありませんか?」
「いや・・・まあ気にはなってましたけど・・・・なあ、おまえ聞いた事あるか?」
と佐藤は田中に聞いた。
「ああ・・・・そーいえば一回聞いた事あるけど、ドライブとしか言わなかったなぁ」
「そうですか・・・・ところで君達もよく夜に一人でドライブに出かけていたらしいね」
そう久米が質問すると急に佐藤と田中は黙り込んだ。関本は笑っていた。
「あれ?違いますか?渡部くんからそう聞いてたけどね・・・」
「え、ええ・・・・僕らもたまにはそりゃ・・・・」
と、田中と佐藤は目を合わせた。
(おかしい・・・何か隠してるな)
久米は二人の一瞬の表情の変化を見逃さなかった。
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