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「ところでこれも渡部くんから聞いた話なんですが・・・・」
「はい・・」
「貴方達は、日系キャディ・・・そう彼女達との交際を禁止されてるらしいですね?」
「え、ええ・・・・」
二人は頷いた。
「では・・・絶対彼女達とはこれまで交際をしたことはない。はずですよね?」
「え・・・・・そ、そりゃまあ・・・・」
二人の返事は歯切れが悪かった。
「本当に・・・・なかったですね?」
久米は明らかに疑っている目で再び問いかけた。
「刑事さん、僕らは付き合ったりするとクビです。そんな間違いを犯す事はありません。それにその事と今度の事件、何か関係があるんですか?」
と、佐藤はその事を感じたのか・・・少し怒った表情で言った。
久米は表情を変えず、はっきりと言った。
「はい、今回のシルビアさん、そして渡部くん。二人が亡くなった事件について・・・・貴方達も・・・・容疑者として我々は見てます」
「えっ!?」
3人は驚いた。
久米はさらに凝視した。研修生3人の表情を確かめるかの様に。
「今、貴方達の電話での交信記録を調べてます。メールも含めて。交信記録によってもしかしたら禁止されていた交際をしていた事が解るかもしれない。そしてそれがシルビアかもしれません。その場合、真っ先に貴方達の誰かが疑われます」
そして鶴川が言った。
「君達・・・バレてからじゃ・・・遅いんだぞ」
一瞬張り詰めた空気が漂った。
しかし・・・・
「はは・・・・」
佐藤と田中が笑った。
「ん?何がおかしいんだね?」
久米は彼らの思わぬ態度に、少し顔を赤くして言った。
「ははっ・・・いえ、すみません。あ、それであの刑事さんが僕らの携帯を・・・・。なるほど・・・そうでしたか。僕らも容疑者ねぇ・・・・」
「いったい何かおかしいんだ!これは大変な事件なんだぞ!」
鶴川が怒鳴った。
佐藤が呆れた表情で言った。
「いえ・・・刑事さん、そんなの調べても無駄かなーって。」
「無駄?どうしてだ。犯人がそんな記録残さない事かい?」
佐藤はこばかにした態度で言った。
「いえ・・・そうじゃないんです。と言うか刑事さん、ちゃんと携帯の事調べたんですか?」
「なに?どういう事だね?」
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