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久米と鶴川は直接支配人に事情を聞いた。
彼女達はどうしても国際電話をかけるので金銭的な負担が大きかった。今はそれほどでもないにせよ、以前それで大変な料金が発生して問題になったのだ。
そこでゴルフ場が寮からの電話であれば一定額を負担する事にした。
その代わり彼女達には携帯を持たせない事にした。
彼女達は不便さを感じながらも、金銭的な負担がない方が大きかったのでそれはそれで問題にならなかった。
そして寮からの履歴を支配人の許可をもらって調べた。
そのほとんどが母国ブラジルであった。研修生やゴルフ場の誰かにかけた形跡はまったくなかった。
「警部、これじゃ誰がどういった交信をしていたか・・・解りませんね」
鶴川は資料を見ながら言った。
「ああ・・・ただ鶴さん、この部分なんだけどね・・・・」
「え?どこですか・・?」
「この部分。この国際番号はどこの国だろう?」
「これは・・・・あ、こりゃ警部簡単ですよ。アメリカです」
「アメリカ?」
「ん?そういえば・・・アメリカってのもおかしいですかね?」
「いや・・・アメリカに友人がいればおかしくはないだろうけどね・・・・」
「でも何か・・・・ひっかかりますね」
「そうだろ鶴さん、何か・・・ひっかかるんだ。もちろん、これだけでは今は何も解らないが・・・」
しかし、この事が実は事件の鍵を握っていた。
そして二人は、今度は彼女達に会うことにした。
彼女達から本当の事は、聞きだせないだろう。それでも久米は確かめたい事があった。
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