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唯一この中で日系2世の、池田リーサ。
彼女は年齢が今年で50歳になる。
家族の為に、子供達を置いて単身日本にやってきた。
既に日本に来て1年近く経過していたが・・・・まったく言葉がわからず・・・・。
また視力も悪い為、キャディ業務においてクレームが来る事が日常茶飯事だった。
池田リーサは、その輪の中から一人離れて、クラブハウスの外で掃除をしていた。
違う国で生活して行く上で、言葉や生活に早く慣れる事は、色々な辛い事にも耐えられる源でも有る。
彼女は・・・・仲間からも逸れいつも寂しそうな顔をしていた。
「ケイジさん、そのコロサレタジョセイがモシカシてシルビア?シルビアナノ!?」
泣きながら長谷川ヒトミは久米に問いかけた。
ヒトミはシルビアの姉。そしてもう一人妹のヒロミがいる3姉妹で、ブラジルから日本にやってきた。
ヒトミは3姉妹の長女で、当然日本に来る時家族から妹二人の面倒を見るように任されていた・・・・。
「とにかく・・・・これから東京に一緒に行きましょう。そうすれば解りますので・・・・」
ヒトミとヒロミは久米に肩を抱きかかえられてクラブハウスを出た。
「ちょっと待ってください!」
と、その時杉本が叫んだ。
「私も・・・・同行します」
少し考えた後、久米は言った。
「・・・・ああ、構わんよ」
遺体の置かれている安置所に4人は向かった。
果たして・・・殺された女性は長谷川シルビアなのであろうか?
長谷川姉妹は車内でずっとうつむいたままだった・・・・
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