久米警部怒る

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安置所に着いた。そして・・・・ 変わり果てたシルビアの姿に・・・・姉妹二人は号泣した。 部屋の中でしばらく泣き止む事がなかった。 情報を聞いて鶴川も安置所に着ていた。 「それにしても警部・・・・どうしてこんな目に遇ったんでしょうね・・・」 久米は黙っていた。 はるばる日本にやってきて・・・無残な姿にされたシルビアの顔をじっと見つめながら 「家族の為に・・・しかもこんなに若い子が・・・頑張っていたのに・・・なんて事だ。」 こころの中でつぶやきそして・・・・ 久しぶりにふつふつと怒りがこみ上げていった。 自分の祖父も、戦後シベリア抑留でそのまま亡くなったと聞かされている。祖国に帰りたくても帰る事なく死んでいった人たち・・・。そして時代は違えど形が違えど・・・現代にも宿る様々な国際問題は後を絶たない・・・。 彼女もその犠牲者の一人だ・・・。 「許せん・・・」 いつの間にか久米の握りこぶしの中は血が滲んでいた。
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