14人が本棚に入れています
本棚に追加
安置所に着いた。そして・・・・
変わり果てたシルビアの姿に・・・・姉妹二人は号泣した。
部屋の中でしばらく泣き止む事がなかった。
情報を聞いて鶴川も安置所に着ていた。
「それにしても警部・・・・どうしてこんな目に遇ったんでしょうね・・・」
久米は黙っていた。
はるばる日本にやってきて・・・無残な姿にされたシルビアの顔をじっと見つめながら
「家族の為に・・・しかもこんなに若い子が・・・頑張っていたのに・・・なんて事だ。」
こころの中でつぶやきそして・・・・
久しぶりにふつふつと怒りがこみ上げていった。
自分の祖父も、戦後シベリア抑留でそのまま亡くなったと聞かされている。祖国に帰りたくても帰る事なく死んでいった人たち・・・。そして時代は違えど形が違えど・・・現代にも宿る様々な国際問題は後を絶たない・・・。
彼女もその犠牲者の一人だ・・・。
「許せん・・・」
いつの間にか久米の握りこぶしの中は血が滲んでいた。
最初のコメントを投稿しよう!