過去との決別

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「明日から新しい高校生活が始まるんだな・・・。」 布団の中に入りながら、そんなことを呟いていた。時計を見ると、夜中の2時をさしている・・・。眠れない。中学生の時を思い出してしまう。 「またいじめられたら・・・、どうしよう・・・」 憂鬱だった。学校なんかにいきたくない。なんで学校に行かなくちゃならないんだ。なんで・・・。 ジリリリ、目覚ましの音がなって起きた。 「・・・僕いつの間に寝たんだろ?」ベッドの上でそんなことを考えていると、コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。 「兄ちゃん、入るよ」 そういって、妹が入ってくる。 「何だよ、朝っぱらから・・・。」 妹をつい睨んでしまう。 妹を見ると腹が立ってしまうのだ。友達が沢山いて、顔立ちも悪くなく、勉強も程よくできる。ごく普通の中学生なのだが、自分には眩しすぎる・・・。 「いや、その・・・。あ、朝ごはんだって母さんが・・・」 「食欲ないからいらないって母さんに言っといて」 「また・・・、また学校に行かないつもりなの。」 「夏希には関係ないだろ!部屋から出てけ!」 あまりの大声に妹はビックリしている。自分でもビックリした。いつも声が小さいと注意されている僕がこんな大きな声を出すなんて。 「関係なくないよ、家族でしょ。・・・、兄ちゃんは自分を過小評価しすぎだよ。今だってこんな大きな声が出たんだから、他でもきっと出せるはずだよ。」 そういいながら妹は部屋を出ていった。 (お前に僕の気持ちが分かるかよ・・・。いつも輝いてるお前に)
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