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「待って!」
あれ、
なに言ってんの
何で俺こいつの腕掴んで引き留めてんの
『……。』
無表情で俺を見るそいつは色素が薄く綺麗な顔
『なんですか。』
口をひらいたと思ったらすごく迷惑そうだ
「あ…いや、さっきの喧嘩なんかお前すごい綺麗な戦い方だな。だから見掛けて思わず、ここに足が向かって来てた」
喧嘩てか一方的に殴ってるようにしか見えなかったんだけどねぇ
そう付け足すように言うと更に嫌そうに眉間に皺を寄せた
でも実際こいつにはかすり傷一つない
『それだけですか、失礼します』
腕を振り払らおうとされたけど瞬時に
腕を強く掴んだ
なにやってんの、俺。
でもこの腕を離したらこいつにはもう一生会えないような気がして
なんとか咄嗟に出た言葉がこれ
「送ってあげる」
『結構です』
そう言うこいつは少し悲しそうな表情を見せて無表情にもどる
なぜかその顔がすごく
すごく気になった
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