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「やっぱり恋愛と結婚って別なのかなー…」
私達の恋愛トークに度々出てくる永遠のテーマであるその言葉が浮かんでくる。
「一番好きな人とは結婚出来ないとかって昔からよく聞くよねー誰から聞いたんだろ?」
私の呟きに奈津が付け加える。
「多分お母さん!!私もよく聞いてたー…二番目にしときなさい的な…」
「それそれ!笑」
やっと重い空気が軽くなりいつもの調子が出はじめる、こんな時でさえガールズトークは弾むものだ。
「奈津はさー、おにーの事忘れられた?」
私がその問い掛けをすると一瞬間があったけど、奈津はすんなり即答した。
「忘れてないよ!今でも一番大好きな人かな…でも…」
奈津は過去の出来事を思い出すように一瞬遠くを見つめていた。
「でも…?」
「今の幸せはおにーとは作れなかったし、旦那も一番大好きな人なんだよね…」
「そっかあ…」
「ってかおにーは私の事は好きじゃなかったし、セフレってゆーかアハハ…彼女にさえなれなかったんだよ?!結婚なんて恐れ多いわ!」
「そっかあ…てかおにー懐かしいね…奈津の青春イコールおにーって感じだったもんね!」
「そうだよねー私の青春返せ的な感じですわな。」
奈津は笑いながら過去の失恋話をしてくれる。いつもそう奈津は私が落ち込んだ時に救いの手をくれる。
でも奈津の微妙な変化を私は見逃せなかった…一瞬見せたあの切ない顔はきっと今でも恋している顔だったんだから…。
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