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ファァァーン
ブォーンン
先ずは挑戦者ツカサが先行する。すかさず王者(K)が後ろに着ける。2stの鋭い加速も4stの伸びの前には対等…いや部が悪かった様に映るがそのままの距離を保ち続けていた。あたかも獅子が獲物を目の前にしてどう捕まえようか機会を伺っているかのように。
スタート地点
『なぁどっちが勝つかな?』
スタートを目にしたギャラリー達はスタートしたばかりなのにもう会話は勝敗の話になっていた。
『そりゃあ(K)だろ?無敗のチャンピオンにはかなわねぇよ』
『そうかなぁ?今回の挑戦権ってジャスティスのNo.2相手だったんでしょ?行けんじゃないの?』
『まぁ始めはメンバーでも下位との対戦だったんだけど、あまりの差で幸也さん(No.2)がでたみたいだからね…もしかしたら』
ドン!
『うっ』
挑戦者の可能性を言いかけようとした瞬間レーシングツナギの男がギャラリーを突き飛ばした。
『幸也さん!?』
突き飛ばされた仲間をかばうギャラリーを見下ろし
『負けねぇよ』
と捨てセリフを放ち去っていった。
ギャラリーの話を耳にして苛立ちを隠せない幸也はギャラリーに八つ当たりしてしまったのだ。
普段なら大抵の挑戦者ごとき自分の力で何とかしてきた幸也にとって、敗北した相手の尻拭いを憧れとも言える(K)にしてもらう事に苛立ちを感じていたのだ。
公式戦とはいえ普段はでてこない王者が現れたともなればギャラリーもメンバーも様々な思惑を抱いていた。
そう勝負の波乱を見据えるかのように。
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