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第8ギャラリーコーナー
『おい明かりが見えるぞ』男が叫ぶ
『どっちだどっち?』興奮するギャラリー
その声に気付きコーナー入り口を見る少女
その手を祈るように握りしめていた
②台のマシンは6コーナーを抜けS字とストレートを加速していた
連絡線ゆえの舗装路はしばしば亀裂や段差が顔を出す
そのラインを詠む術に長けたKがツカサより短いラインとアクセルワークで併走を仕掛ける
7コーナーを曲がると道幅なストレートを経て8コーナーへ入る
峠のキングは1つ1つのコーナーを緻密に覚えていた
インをつくキング
加速の反動でアウトに膨らむツカサ
その軽い車体は大きな弧を描いてコーナーへ進入する
そのラインの差が2人を併走させたまま8コーナーへと走らせていく!
並び併せたマシンから峠の定石HIDの鋭い明かりがその場を埋める
途端の事にギャラリーは目を奪われる
それもそのはず
②台が併走して進入したゆえにその光が大きく辺りが包まれてしまったからだ
目が状況を把握する時には2つのマシンはコーナーを駆けていた
それを見守るように見る少女…その視線は何をみているのか
8コーナーを抜けた後は頂上の起伏を抜け下りのダウンヒルに入る
だがクライムヒルと違って極端に道幅が減少する区間でのパッシングポイントは少ない
併走する②台はその事をよく知り頂上の起伏までに先に出たものが事実上勝者と言っていいだろう
緩やかなカーブを描き左手の標識が市境を伝える
峠の天王山だ
併走する②台、
有利なのはダウンヒル最初右カーブとなりアウトを走るツカサだった
その事を知る2人
Kはジリジリとその車体をツカサに近付けてくる
起伏を越え右コーナーが顔を出してきた!
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