noise

それでも、

菊side

井本さんが泣いていた

滅多にないことだ

「井本さん…」

『…、なぁ菊地…裏切られるのって…怖いな…』

「…」

『藤原な…、彼女できたんやって…もう俺なんかいらんって…』

─ギュッ…

『菊地…？』

井本さんを後ろから抱き締める

「俺に……さい」

『え？』

「俺にしといてください…、俺は藤原さんみたいにアンタを捨てません…」

好きなんです、
どうしようもないぐらいに…

【それでも、】

アンタは、あの人のこと忘れられませんか？

end