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「やれやれ…相変わらず会議は進みませんでしたね。今日はどうなるのやらです…」
窓から景色をぼんやり眺めながら独り言を呟いていると、遠く離れた通路から彼を呼ぶ声が近付いて来る。
自分を呼ぶのは誰だろう?と思って通路に目を向けると、そこには見覚えのあるシルエットが。
「菊!中国四千年伝来の薬飲まないあるか?」
「あれ?耀さん…いきなり薬とはどうしたのですか?」
菊の名を呼びながら駆け寄って来たシルエットは王耀だった。耀の手には薬があり、唐突に菊に飲む事を聞く耀。
「ん?菊が老体にきついとか言ってたから特製の薬を作ってきたあるよ?」
菊の疑問に答えてニコニコしながら薬を押し付ける耀。菊はそれを押し付けられて困惑気味な顔で言葉を返す。
「確かに老体は~って愚痴りましたけど…」
菊は少し悩み、好意を拒否する必要ないと思い耀の顔を見て、
「………分かりました、ありがとうございます。耀さん」
薬を胸に抱いて少し微笑みながらお礼の言葉を言うと、耀も照れた様に笑いかける。
「おう!すぐよく効く特効薬だから早く飲むあるよ!」
照れ隠しに耀が飲む様に言うと
「はい。会議が始まる前に飲んでおきますね?」
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