舞い戻る、紅の血

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文久、3年…??? 「あの…??」 急に黙りこんだ朱音に沖田が話かけようとしたら勢いよく顔を上げた。 「タタタ、タイムスリップぅぅぅぅ?!?!?!」 屯所中に響き渡る声で叫ぶと頭を抱え何かブツブツ言い出した朱音に3人は呆気に取られる。 (そそそ、そんな馬鹿なー! や、確かにそーいう展開好きだよ?いやむしろ大好物?でもこう自分が体験するのと、妄想するのとでは訳が違うって言うか・・ってか!!憧れの土方が!総司が!!やっぱりイケメンでしたよ平成の乙女達ー!!!!これは一君や三馬鹿もかなり期待できますな。むふふ………はぁ。ま、来た方法がわからない今。帰れる状況じゃないよね。それに…あたしがいなくなって悲しむ人なんていない、か。覚悟をきめなきゃ。この、動乱の世で生きていく覚悟を…) 「お、おいおまえ。今度はこっちの質問に答えてもらおう。」 ――はっ (それにはまず、土方さんを納得させなきゃね。) 腹をくくった朱音はニコニコ顔で向き直った。 「はい。何でも答えます。」 その顔に3人は頬を染めた。 「さっきとはずいぶん態度が違うじゃねぇか。」 その言葉に対して発した朱音の言葉で空気がまた張り詰めた。 「だってやっとここがどこで、あなた達が誰かわかったんだもん。土方さん」 「てめぇ、なんで俺の名前しってやがんだ」 その言葉に朱音はクスッと笑った。 「さっきここに入る時に沖田さんが呼んでたじゃないですか」 その言葉に近藤さんは安著の息を吐こうとしたがそうはいかなかった。 「じゃなんで総司の名前を知ってるんだ?あ?」 近藤と沖田ははっと目を見開いて朱音を見ると、嬉しそうに笑っていた。 「さすがですね、土方さん。あたしに誤魔化されるようだと長州にでも行こうかと思いましたがあたしの思った通りでした。」 長州の名前が出て皆の肩がピクッと反応したが気にせず続けた。 「あたしの話を聞いて下さい。」
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