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その言葉に朱音は安心したのか泣き出した。
「…っふ、うぅ…良かった…うわーーーーーん!!」
その姿に皆は思い出した。
まだこの子は幼い少女だ。
大人ぶった話し方についつい惑わされ対等に言い合ってきたが家もない、知り合いもいないこの時代にいきなりきて不安にならない方が不思議ではないか。
この少女はそれだけ必死だったのだ。
自分の居場所を作るのに。
「朱音さん、今日からよろしくお願いしますね。」
沖田が言うと朱音は目に涙を浮かべながら最上級の笑顔で
「はい!」
と元気よく返事した。
それを見ていた回りの人達はもちろん、朱音の笑顔にやられていた。
((((((か、可愛すぎだろっ!!))))))
朱音はいきなり立ち上がり土方の方へ歩いていった。
「さっきは嫌な言い方をしたけど、あたしは皆の敵になるつもりはないの。
だから…信じてほしいです。そのかわり、あなた達に忠誠を誓います。いつまでも、皆の為に在る事を…決して裏切らないと」
言いながら、土方の前に片膝をつき手の甲へちゅ、と口付けをした。
そのまま顔をあげ
「誓いの、印です。」
と微笑まれ土方の顔はボンッと音がなるほど赤くなった。
「あー土方さんだけズルいー!!僕にもして下さいよー」
「あれ?沖田さんは女の人が苦手じゃありませんでした?」
「女の人は苦手ですけど朱音さんはまだ子供だし、女の人って感じしないじゃないですか」
その言葉に朱音は怒った。
「失礼ですね!あたしは子供じゃないですよ!沖田さんとそんなに変わらないじゃないですか!」
その言葉に今まで事の成り行きを見ていた後ろの3人の1番背が高い人が笑いながら言った。
「おいおい、総司はこう見えて19だぞ。ちなみにこいつも同い年だ。」
そー言って1番背が低い人を指差す。
「それくらい知ってますよ。あたしは17です。」
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