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後ろにいた3人のうち背が高い2人を指名した。
「ちょっと難しいんですよねー。あ、上だけでいいんでお医者様に見せると思って脱いで下さい。ニコッ」
「仕方ねぇなぁ。」
そういって2人は帯から上の着物を脱いで見せた瞬間
「ぶふーーー!!」
と綺麗な鮮血が舞った。
出所はもちろん朱音の鼻だ。
(あぁー、今日は鼻血祭りだね。)
「きたねっ!」
正面で見ていた2人はまともにくらいそうになったが持ち前の運動神経で華麗に避けた。
「おい、ふざけてんのかぁ?」
土方は血管を浮き上がらせて怒っていた。
「お2人共、良いものをお持ちのようで…」
ふらっと立ち上がりながら言った。
「おめーの乳にゃ負けるよ。」
「それはもー忘れて!」
そー言って2人を見据えた後、ニヤリと笑った。
「おい?なんだその顔は。なんか企んでんのか?」
「いえ、違いますよ原田さん」
「!!」
「なるほど。傷を見たか。」
土方が不適に笑った。
「ふふ。原田佐之助。またの名を死に損ねの佐之助。以前上官の武士に馬鹿にされ、意地になり切腹。傷が浅かったのと脅威の回復力で復活にいたる。本人にとっては勲章のようだが今ではその傷痕は宴会芸でしか使われていない。」
「おい。」
「宝蔵院流の槍の名手、その腕と試衛館の頃からの信頼で副長助勤として活躍中。
「すげー。」
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