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「朱音さーん、私の事は言ってくれないんですかぁ?」
沖田が唇を尖らして言う。
「さっき沖田さんの名前言ったじゃないですか;」
「私は名前だけだったじゃないですか!」
「そんなに言ってほしいんですか?あたし、沖田さんの事1番好きだったのでなんでも知ってますよ?」
何故か、悲しそうに言った。
「ほんとですか?!1番好いてくれてたなんて嬉しいなぁ。」
沖田の言葉に朱音はびっくりした。
「…皆は…気持ち、悪くないんですか?」
沖田はきょとんとした。
「なんでですか?」
「だって、皆はあたしの事知らないのに、あたしは皆の事全部知ってるんですよ?」
「そんな事思ってたんですか?悪意がある人に知られてると思うと気分悪いですが、朱音さんは違うでしょう?それに朱音さんの事ならこれから知っていけばいいんですよ。もちろん、教えてくれるんでしょう?」
意地悪そうに朱音の顔を覗き込んだ。
思ってもみなかった優しい言葉に朱音は一瞬びっくりしたが、周りを見回してみると皆が優しい顔をして朱音を見ていた。
「もちろんです!」
朱音は泣き笑いした。
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