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朱音は走りながら鞄からスケジュール帳を出してこれからの予定を確認していた。
「今日のバイトは…コンビニかぁ。明日は朝新聞配達があるから課題はほどほどにして早めに寝よう!」
まだ未成年なので働ける時間も職種も限られてる。
「クス…また美樹ちゃんに心配かけちゃったなぁ。
…はぁ。早く18歳になりたい。」
でも忙しいのは仕方ない。
自分で望んだ事だ。
あの日から、あたしの居場所はなくなったんだから。
や、始めからなかったのかもしれない。
全然気づかなかった。
あの日まで。
「ほんとおめでたいよね、あたしって」
自虐的に微笑むと目が霞んできた。
「あ…貧血かな??」
だんだん体の力が抜けてきた。
慌てて塀に手をついたけどそのまま塀伝いに地面に体が落ちていく。
意識もだんだんなくなってきて
このまま死ぬのかな…なんて思ってたらどこからか声が聞こえてきた
――お願い…あいつらを…
…をおわ…て…
な、に??
聞こえない…
だれ??
はっきり聞き取れない事がもどかしくて意識を保とうとするけど、そのまま深い闇に落ちていく。
そのまま意識と一緒に朱音の体は消えていった。
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