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――文久3年
(はぁ。今日の巡回では、浪士達が斬りかかってくることもなく無事に終わっちゃいました。
つまんないです。)
いじけ顔で歩いてる隊長こと、沖田総司に隊士達は苦笑しながらついて帰り道を行く。
屯所の塀の横の道を歩いていると、曲がれば門がある角の手前に何かある。
遠くからでは何かわからないが布が被さっているみたいだ。
「あれ…とーっても怪しいですね♪」
にんまり顔の後ろに花まで飛ばしている。
(((((た、隊長が活き活きしてるっ)))))
「隊長!怪しいので警戒して近づ…ってもういない!!!!」
前を見ればスキップで怪しい布に駆け寄る隊長の姿…
「「「「「た、隊長ーー!!」」」」」
後ろにいる隊士達を無視し、怪しいモノのとこまでくるとそれが人だということがわかった。
でも動く気配はない。
「なんだ、人かぁー。でもこの着物なんでしょう??見たこともない作りですね・・・」
塀の方を向いて寝ている状態だったので、肩を掴んでこちらに向けてみる。
「ん…」
ゴロンと顔がこちらに向いた時思わず息を飲んだ。
透き通るような白い肌。
閉じている目には長い睫が影を落としている。
ぷっくりとし桃色に色づいた唇。
何もかもが魅了するには充分なものだった。
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