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「って、格好良く決めたの良いけど、ここどこ?」
那由多は錯乱状態に陥っていたのだから、場所が分からないのは当然か
「取り敢えず、下ろう」
どうするか決めてから半刻
「・・・天狗?」
麓まで下りた那由多が着いたのは村だった
村人の背中に黒い烏の羽が生えている人がちらほら見える
「人里・・・じゃないよね」
兎に角ここがどこなのかを聞かなければいけないと那由多は思い、近くにいる門番に話しかけた
「おじさ・・・ん?」
那由多が話しかけると門番は静かに六角棒を那由多に向けた
「何のようだ」
「えっと、道に迷ったから・・・」
「嘘をつくな!」
「えぇ」
事実を話しているのに門番は嘘だと決めつけてきた。そのやり取りを何度かしている内に、見上げるほどの巨体の男性が近付いてきた
「あ~、門番。何をしておる?」
「大天狗様。見ての通りこの不届き者を追い払っている所です。」
大天狗と呼ばれた男は門番の答えを聞いて困ったようにこめかみを掻いている
「人の子よ。何をしに来たんじゃ?」
「僕は人里に行きたいだけだよ~」
那由多は瞳に溢れんばかりの涙を溜めながら大天狗に助けを求めた
「ふむ、儂に付いて来い。もう日が沈みかけていおる。今日はゆっくりしていくが良い」
大天狗は笑いながら那由多の頭を撫でた
「大天狗様!?」
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