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「そこの。文と椛を連れてきてくれんか」
大天狗が適当に頼んだ者は大急ぎ何処かに行ってしまった
「さて、人の子」
「僕は那由多、土宮 那由多。人の子じゃないよ」
「それは悪かったの。儂は大天狗。この里の長であり、幻想郷に存在する天狗を束ねるものじゃ。那由多には悪いが、お主を試させてもらう」
「いいよ。何すればいいの?」
「今呼んだ二人から逃げればよい」
「わかった」
素直な那由多を気に入ったのか、大天狗が那由多の頭を優しく撫でた
「ただ今参りました」
いつの間にか、黒い烏の羽を生やした女性が大天狗の前に頭を伏せていた
「同じく」
こちらは白い狼の耳と尻尾を生やした女性
「おお、来たか。お主たち二人にはこの土宮 那由多の力試しに付き合ってもらいたいんじゃ」
「スペルカードは?」
「無論禁止じゃ」
「分かりました。椛、貴女から行きなさい」
「その前にしつもーん」
律儀に真っ直ぐと右手を伸ばしながら、那由多は話を遮った
「お姉さん達の名前は?」
那由多の質問に対して真っ先に話し出したのは狼の女性だ
「あ、私は犬走 椛です」
「・・・犬?」
「狼です!」
椛が必死に説得していたのを烏の女性が退かして前に出てきた
「私は射命丸 文。清く正しい新聞記者をやっています」
文はそう言いながら名刺を那由多に差し出した
「態度違う」
「使い分けてるのよ。で、他に質問は?」
「僕から手を出してもいいの?」
「別に良いわよ。・・・・・・当てれるならね」
余裕の笑みを浮かべている文を見て那由多は少しイラついた
「制限時間は各二分。それでは・・・始めい!」
大天狗の合図と同時に那由多と椛が動いた
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