第六章:もう一人の自分

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「・・・それっていつの話?」 「つい最近、2週間前ぐらいじゃな。儂が散歩をしとったときに、その手袋と似たようなものを着けておった者を見かけた」 「男の人?それとも女の人?」 「女じゃ。それも幼い、那由多と同じぐらいのな」 「・・・名前は?」 「確か、水宮、水宮 彼方」 その名を聞いた途端、那由多の雰囲気が変わった 人々を和ますものから、恐怖の底へと突き落とすような凶々しい・・・・・・・・・殺気へ だが、それももとの雰囲気にすぐに戻った 「大天狗さん。僕、用事を思い出したから帰るよ。ごめんね、大天狗さんの行為を無下にして」 「ならば儂が近くまで送ろう」 「んじゃよろしく」 無邪気に笑う那由多を見て他の人々はさっきの那由多は勘違いだと思った 大天狗を除いて・・・
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