第六章:もう一人の自分

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「大天狗さん早いね~」 那由多は大天狗の背に乗り強風を受けながらも平然としていた 「那由多、お主と彼方に何があった?」 「大天狗さんは部外者のくせして平然と聞いてくるんだね」 「・・・・・・」 「くす、別に気にしなくて良いよ。聞きたいなら話してあげる」 「済まぬ」 「彼方はお父さんとお母さんを殺したんだ」 「それは・・・」 「確証はないよ。でも見たんだ。お父さんとお母さんの血溜まりの中で白い、彼方が持ってた蜘糸手(クシノテ)が見えたんだ。でも、僕は信じたくないんだ。彼方は僕のお義姉ちゃんだったから」 「・・・・・・そうか。ここで良かろう。口を閉じとけ」 大天狗は地に降り、那由多になにも言わずに飛び去った
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