出会い

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でも付き合う気なんて全くなかった。 夏生もいたし、県外の人だったから。 それにいくら友達の先輩とはいえ、メル友の人と付き合う、ということを考えたことがなかった。 でも、大毅はあたしの中でどんどん大切になっていった。 夏生のファンからのイジメで苦しんでいたときも、あたしの弱音や愚痴を黙って、優しく聞いてくれていた。 夏生とのノロケ話も、大毅になら話せた。 彼はストレートな人らしいのだが、別に誰と付き合っていても関係ない、という軽くドライ…というか言い換えれば同性愛の理解者でもあった。 まあ、興味がなかった、っていうことでもあるだろうけど。 きっとあたしのことをよく知らない、メル友だからってこともあるし、大毅があまりにもあたしと似てるからきっと他人って感じもしなかったからだと思う。 高校や中学の友達には、ノロケ話なんて絶対したくなかった。 秘密にしてたってこともあるけど、恥ずかしすぎて、口が裂けても言えないと思っていた。 だから、夏生とあたしのことを1番知っていたのは、ある意味彼かもしれない。
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