仮面

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張りついた笑顔は 僕を隠す為の仮面 深い闇を悟られないように 必死に口元を釣り上げて 習慣付けた笑顔は 僕を守る為の仮面 本当の僕は誰にも教えない だから 踏み込むのはもう止めてよ きっと失望するだろうね こんな奴だったなんて、って それがとても怖いんだ だから仮面は外さない それでも君は 傍に居てくれるかい? 無理だろうか? 無理だろうね いつかは剥がされてしまうから 僕が先に逃げ出してしまうさ 君はそんな僕を嗤うんだろうね 愉しいかい? 愉しいだろうね 他人が堕ちていく様を 上から眺めるのは 自然と笑みが零れてしまう 嘆きは心地よい メロディと化すのさ 嗚呼、恐ろしい 怖くて恐くて堪らない 人間とはなんて 醜い生き物なのだろう 僕は仮面を強く掴んでは弱める 同じ事を何度も繰り返す 棄てるべきか 棄てざるべきか 自問を繰り返しては溜息 応えは何処からも聞こえない 傷付くなら それで構わない、なんて 言えるほど僕は 人間ができていない 怯えながら日々を過ごす僕は 驚くほど滑稽に映るだろうね
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