会話

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狼『そうか 君は他人を見下しているんだね』 少年『自尊心を無くさないためでもあるけど 僕の体験を他人は疑似的に知る由もない ならば他人には判断材料が乏しく月並みな発言しか言えないのは道理だよ 見下すと言うより正しい認識だと思ってる』 狼は気を使って笑う 狼『もったいないねぇ つまり君のそれは自慰なんだ』 少年はイラッとしたのだろう 強い口調で反論する 少年『自己完結だと言いたいの?だけど事実として他人は僕が求めるような意表をつくような意見を言えたことがないじゃないか』 狼は机の上のパンに目をやりこう問いかける 狼『君の言う事実とは体験上のみを指すものさ 君はそれがパンだと思うだろう?』 少年『変なことを聞くんだね それはパンさ』   狼はやはり気を使って笑う 狼『食べもせずによくも決めつけたものだ 君はこれに過去のパンを照らし合わせたにすぎない』 狼『君は知っているのかい?このパンの匂いを!味を!これに合う紅茶の銘柄を!そして舌触り…』 少年『だけど結果は一緒じゃないか むしろこれがパンではないという結果を得られることこそ難しいね』 狼は肩を落としながら応える 狼『同一ではない結果ばかり得られたらパンでくくれるわけがないだろう?』   狼はそういうと少年の足下をぐるりぐるりと回りはじめた   狼『パンのみをもってパンを知ったとするのは軽率なんだよ』 『そしてね… 私はパンは知らない』
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