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「失礼します…」
「まぁそこに座りなさい」
土御門はにこやかに、優に座るよう促す。
「さて、早速ですが本題に入ります。あれは今何処に居ますか?」
「え?あ、あれとは…」
「試験で召喚した精霊もどきですよ。」
「もどき…じゃないですよっ!えーと、や、闇属性の精霊ですよあははは…」
土御門の鋭い質問に、優はしどろもどろに答える。
「ほぉ、ではあれは今精霊界に居て召喚しない限り、ここには現れないという事ですか?」
柔らかな表情の土御門がゆっくりと近付く。
「そ、そーです…精霊ですから!」
柔らかな表情とは真逆の威圧的なオーラを放つ土御門から逃げるように、優は椅子から立ち上がり後ろに下がる。
「なかなか頑張りますね…仕方ない」
土御門はかけていた眼鏡を外し、机の上に無造作に眼鏡を置き前髪をかきあげる。
「せ、先生?」
優は驚いた。
ただ眼鏡を外し、前髪をかきあげただけなのに、いつもの穏やかな土御門とは別人に見えたからだ。
「先生、あの…」
優が話を切り出そうとした瞬間、強い力で机の上に倒され押さえ付けられた。
「っ!」
「あいつを呼べ。」
土御門の冷たい瞳と言葉遣いに、優の心臓が凍りそうになる。
「で、できません…」
「ふ…強情な所は兄貴にそっくりだな」
「!!」
優の心臓が大きく跳ねる。
「今…なんて…っ!」
言葉を遮る様に、土御門の舌が優の首筋をゆっくりと這う。
「んっ…や、やめっ」
「止めてほしいか?だったら言うことを聞け。」
片手で優のシャツのボタンを外し、長い指で優の上半身を探るように撫でる。
「ぁんっ!」
身体がビクンと跳ねる。
口から勝手に飛び出た甘い声に、優は慌てて自由になる片手で口を塞ぐ。
優の頭の中は、驚きと恥ずかしさでぐちゃぐちゃになっていた。
「無意識でそんな声が出るとは…なかなか凶悪な奴だな」
土御門はくすりと笑い、上半身を撫でていた手をゆっくりと下へ滑らせる。
「こちらも具合が良さそうだな」
「ひぁっ、は、離し」
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