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錬金術、魔術、科学の急速な発展により生み出された人口都市セイレン
人々は精霊と契約し使役することにより豊かな生活を送っていた…
セイレンに唯一の召喚士育成機関ミスティーク学園では今日も若き召喚士達が勉学に励んでいるのであった。
-ミスティーク学園裏庭-
「我汝と契約を望むもの我の前に姿を現せ…ウンディーネ!」
…
「我汝と契約を望むもの我の前に姿を現せ…サラマンダー!!」
……
「我汝と契約を望むもの我の前に姿を現せシルフ!!!」
………
「我汝と(以下略)ノーム!!!!」
…………
「はぁ…四精霊もダメか…」
ミスティーク学園第2学年の綾杉優(アヤスギユウ)は進級試験である「精霊との契約」に苦戦していた。
「なんで上手くできないんだろう…」
がくりとうなだれる。
進級試験の内容が発表されてから2ヶ月が経つが、初級召喚術さえ成功していない。
「優?」
聞き慣れた声に顔を上げる。
「なんだ美緒か…」
「なんだとは何よ?どう上手く行ってる?」
櫻井美緒(サクライミオ)は優の幼なじみ。
成績優秀でクラスの皆から慕われる姐御的存在。
「進歩無し……はぁ」
美緒は顎に手をあて眉間に皺を寄せて考えた。
「うーんそぉねぇ…魔力のコントロールが上手くできてないんじゃないかしら?」
「うっ…いやそんな事はない…はず…」
自分なりにはできていると思う。
「じゃあ魔法陣の書き間違いとか?」
「いや…毎回確認してるし…」
魔法陣に問題はない。
毎回必ず確認してる。
「じゃあセンスが無いのかしら…」
「っ……」
尖ったナイフが胸をえぐる。
薄々気付いていたが、言葉にされると流石に傷つく。
「じゃあ…」
「わ、悪い美緒!用事思い出したから俺行くわ…ありがとなっ」
振り返らず全速力で走り去る。
「あ、優!」
優の姿がどんどん小さくなっていく。
「優…」
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