67人が本棚に入れています
本棚に追加
「だが完全にそれの姿にはなれない。どんなに愛しい者でも、その記憶は風化してゆくからな。ま、お前の場合は記憶がまだ新しいから、似ていないところは少ないだろうが…」
少ないと言うか、寧ろ生き写しに近いんですけど…
「ってお前!」
「何だ?」
カイトはいつの間にか、優を後ろから抱えるように湯に浸かっていた。
「いつの間にっは、離れろ!」
「照れるな。」
「照れてない!!」
優は浴槽から出ようとするが、カイトに腕を掴まれ引き戻される。
「なっ!」
「逃げるな。」
優の背中から腕を回し抱きしめ、耳元で囁く。
「この姿はいい…」
「何が!」
「お前の心に隙ができる。」
カイトは優のうなじに、軽くキスをする。
「んっやめ…」
「拒絶するのか?できもしないくせに。」
カイトは優のうなじに、濡れた舌を這わせる。
「んんっ」
「愛しい者に似た俺を拒絶する事を、躊躇っているのだろ?」
「違うっそんなんじゃ…ひっ」
カイトの手が、優のものに触れる。
「さ、触るな…ん」
「ふ、まぁいい…そういえばお前、あの教師に触られた時、拒まなかったな?何かあったら呼べと言ったのに。」
「あっそ、そんな…」
拒めるわけないだろ!急にあんなことされて…
「感じてただろ。」
「ちがっ…」
「違わない…ほら、少し触っただけでもうこんなにして。」
「!!」
優は目を疑った。
心は拒んでも、身体はカイトが与える刺激に反応していたからだ。
「やっやめろ!」
優は、何とかカイトの腕から逃れようともがく。
「それはできない。奴に触られた事だけでも不愉快なのに、お前は喜んでよがっていた…」
カイトは先端をえぐるように弄る。
「ひぁっ!」
優の身体がびくりと跳ねる。
「くくっ…いい反応だ。」
カイトは優の耳に舌先を入れ、くちゅと卑猥な音をたてながら舐める。
「んくっ…あぁ…やぁ」
カイトから与えられる快感に神経が麻痺し、もがく身体に力が入らなくなる。
「んっ…もやめ…」
同性に弄られ反応する身体と、口から発せられる甘い声が優の羞恥心を煽る。
最初のコメントを投稿しよう!