第3章 夢

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うー…怠い。 太陽の光が、学園の木々を眩しく照らす。 優は授業を受ける為、グランドに向かっていた。 なんか頭もやもやする…もしかして、昨日の事が原因なんじゃ… (ほら、ここがもうこんなに…) 「わぁぁぁぁぁっ!」 散れっ引っ込めっ何思い出してんの馬鹿! 優は頭の上に浮かぶ昨夜の光景を、必死に手ではらう。 「優!」 声がした方に振り向くと、美緒がぱたぱたと走って来た。 「み、美緒っ…どうしたの?」 「どうしたの?じゃないわよ!昨日先生に呼び出されてたけど、大丈夫だった?!」 「あ、うん…大丈夫だったよ。合格だって。」 「あぁ良かったぁ!」 美緒は嬉しそうに笑った。 美緒、心配してくれてたんだ… 「ごめんな、心配かけて…」 「な、何が?別に心配してないわよ!ちょっと気になってただけっ」 そっぽを向いた美緒の頬が、少し赤らむ。 「でも、ごめん。それとありがとう。合格できたのも美緒のおかげだよ…」 「そんな事ない…優が頑張ったからだよ。」 二人は、照れ臭そうに笑う。 なんともほほえましい光景だ。 「やけに素直だなユウ?」 背後から聞き慣れた声が、聞こえる。 こ、この声は… 「か、戒斗さん!?」 美緒は大きな瞳をさらに開き、カイトを凝視した。 「これ、前話したやつ…」 「えっあぁそうだったね、例の悪魔…まさか、こんなに似てるとは思わなかった。」 「ユウ、何だこの人間は?」 「俺の幼なじみだよ。」 「櫻井美緒よろしくね。」 美緒は友好的に、カイトに手を差し出す。
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