第3章 夢

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「ふん、気安く話しかけるな人間の雌。」 カイトは、美緒の手をはらう。 「な!?」 「カイトっお前…」 優の視界が大きく揺れる。 え…? 「ユウ!」 「優!」 カイトは、倒れかけた優を素早く抱き留める。 「あ…」 視界が定まると、カイトの心配そうな顔が見えた。 「ユウ…顔が赤いぞ。」 カイトの大きな掌が、優の額に置かれる。 「熱?…いや違うか…」 心配そうなカイトの顔がゆっくりと優に近付く。 その瞬間、昨夜の光景が走馬灯のように脳裏に広がる。 「っ!だだだだっ大丈夫だから!」 優は湯気が出るほど顔を真っ赤にし、慌ててカイトを突き飛ばす。 「みっ美緒行こう!」 「えぇっ?!」 優は驚く美緒の手を握り、グランドに向かって全速力で走り出す。 「…魔力が乱れている?」 カイトはぽつりと呟くと、突き飛ばされた時の格好のまま、暫く走り去る優の姿を見つめていた。
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